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Vol.7 Junna Ige USA San Jose

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今回のダンサーの宝箱はアメリカ・カリフォルニア州サンノゼにあるバレエ団Ballet San Joseで活躍するダンサー位下純奈さん です!




ジモモ フランクフルト
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san joseの空港から車で約10分のところに位下さんの働くSan Jose center of performing arts劇場はあります。 


Ballett San Jose


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カンパニーメンバーは約40人。
キューバ人、アルゼンチン人、タイ人、ロシア人、中国人、台湾人、オーストラリア人など多国籍ナメンバーが揃う中、3人の日本人が所属しています。 
クラシック作品を多く上演しているBallet San Joseですが、ネオクラシックやコンテ作品の上演数も年々増えてきており、カンパニーとしてますます深みを増してきています。
来シーズンからは元アメリカンバレエシアタープリンシパルのホセ・カレーニョさんが芸術監督に就任されるということです。


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カンパニーでの一日のスケジュールを教えてください。001.gif

朝9:30からカンパニークラスが始まりますが、私は普段その前にジムに行って、ピラティスリフォーマーを使って体を整えてからカンパニーに行きます。
リハーサルは11:10-1:30、ランチが1:30-2:40、そして午後のリハーサルが2:40-5:30です。
カンパニーは月曜から金曜の五日間です。
火曜日、木曜日はカンパニーでの仕事の後、6:30-8:00まで子供にバレエを教えています。
土曜日も教えをしています。



まさしくバレエ漬けの日々ですね。005.gif
教えもされているのですね。現地の子達を指導されているのですか?
日本での指導との違い、日本人の生徒との違いは感じますか?



現地の子なのですが、ロシアンスクールなのでロシア人の子が多いですが、アジア人の子も居ます。
日本のスクールはクラスやタームが厳しく決まってないような気がしますが、私が教えてるスクールは1年が二期に別れていて、毎年クラスが上がっていくシステムになっています。スクールユニフォームもあるので、クラスみんなが同じレオタードを着ています。
日本では先生の言う事は絶対で、しゃべったりなどする事はありませんでしたが、こちらの生徒は何か質問があったりすると発言します。可愛い生徒を受け持てて嬉しいです。


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すばらしいですね。
やる気のある生徒を目の前にすると、本当に幸せな気持になりますね。
位下さんは現役のバレリーナであり、子供たちにとっては憧れの存在ですね。
言葉だけでなく、踊って見せて本質を伝えられるという意味で、現役であるうちから教えに熱心に取り組むことはすばらしいと思います。




話は戻り、どのようにして今のお仕事の夢をつかみましたか?023.gif


私は三年間ドイツに留学していました。
最初の2年はHamburg Ballet、最後の1年はAkademie des Tanzesに所属していました。
ヨーロッパで色々なカンパニーにオーディションに行きましたが、契約を貰う事が出来ませんでしたので、オーディションのシーズンまで日本に一時帰国して、アメリカやオーストラリアに行ってみようと決めました。
そしてカナダ、アメリカと計3つオーディションをしたうちの最後のBallet San Joseの当時のディレクターに気に入って頂け、中国ツアーに即参加させてもらえる事になり、契約を貰う事が出来ました。
ずっと待ち望んでいた事だったので、本当に夢のようでした!



ヨーロッパにいらっしゃったんですね!
しかもドイツ!なんだかうれしいです。Akademie des Tanzesは私も所属していました
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アメリカでのオーディションはヨーロッパ以上に厳しいのではないかと思うのですが、何人応募者がいて、何人合格しましたか?023.gif


私はオープンオーディションを受けましたが、約80人と記憶しています。
採られたのは私一人です。普段ディレクターはあまりオープンオーディションで採らないようなので、
とてもラッキーでした。



その成功は運でしょうか? 実力でしょうか? 才能でしょうか?
成功の鍵はなんだったと思いますか?



ある程度のレベルまで行くと、運やタイミングがとても重要だと思います。
どんなに才能のある人も運やタイミングで仕事が採れないケースもいっぱいあります。
それからディレクターの好みであるかなど色々な条件が合って、採用されるのだと思います。



位下さんは牧阿佐美バレエ学校(バレエ団)のご出身ですね。
牧阿佐美バレエ学校(バレエ団)は海外へたくさん素敵なダンサーを送り出していますね。
日本にいた時点で周りの優れたダンサーから多くの刺激を受けていたと思うのですがいかがですか?



はい、日本ではJJB,AM students に所属していて、とても上手な人達に囲まれてバレエを習いました。
とても良い経験になり、周りを見ながら学べる環境に居た事は今考えるととてもためになったと思います。




ダンサーとして思い出に残っている仕事は何ですか?


ダンサーとして思い出に残っている仕事は、今年2月に踊ったDon Quixoteです。
本番前日に急遽オープニングナイトをホセ カレーニョさんと踊る事になり、一回リハーサルをして全幕に挑みました。全幕デビューでもあったので本当に貴重な体験をさせて頂きました。


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すばらしいですね!005.gif
こういう機会に恵まれ、またまたとないチャンスをキャッチできる実力があってこその成功ですね。
そのときホセカレーニョさんが後に芸術監督になることは予測していましたか?023.gif



ホセさんが芸術監督になるなんて思ってもみませんでした。



彼が芸術監督になることによってこれからカンパニーはどのように変わっていくと思いますか?


ホセさんは本当に舞台経験も豊富な素晴らしいスターダンサーなので、カンパニーが彼の指揮によって良い方向に向かっていく事を心から望んでいます。



日本で踊ることと海外で踊ることの違いは何だと思いますか?


海外は多くのカンパニーがダンサーにお給料を払い、ダンサーを職業として生活をしていく事が出来ます。またトウシューズの支給があります。
そして私にとっては海外に出て来ている理由が仕事であるバレエのためなので、バレエに集中する時間環境がある事は日本で生活する事との大きな違いでもあります。


そうですね、日本ではバレエをするためにはどうすればいいのかということに頭を使わないければいけませんが、海外ではバレエ自体に集中することができますね。



位下さんの次の夢は何ですか?001.gif


夢という具体的な物はありませんが、ダンサーとしては自分の思い描くバレエに近づくよう成長することです。初めて全幕のチャンスをもらったばかりで、まだまだ踊りたい作品が山ほどあるので、いつか踊れるチャンスをもらえるように日々努力するのみです。今はジャイロトニックの講師になるコースを受けています。ダンサーにもとてもためになるエクササイズがいっぱいあるので、いつかバレエとジャイロトニック両方を教えられたらと思っています。


今回お話を聞かせて頂き、真摯にバレエに打ち込む姿にとても好印象を受けました。
ダンサーとしてあらゆる方面にアンテナを張り、人生を通して長くバレエにかかわっていけるような生き方をされているように感じます。
そして、成功されている方は必ず人一倍努力をしている、改めてそんな風に思いました。お話を聞かせてくださりありがとうございました!




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位下さんのペット アマリヨ




さて、位下さんからのバトンを受け取る方はどなたでしょうか? 

ドイツのニュルンベルクに居る門沙也香ちゃん です。



メキシコからアメリカへ渡ったバトンは再びドイツに戻ってきますね!001.gif
次回はニュルンベルグバレエ門沙也香さんです。



お楽しみに!060.gif016.gif



                    

# by dancerstakarabako | 2013-06-25 08:08

Vol.6 Alice Kodama Mexico Monterrey

アメリカ合衆国に近いメキシコ第三の都市Monterreyモンテレイ
そこにひとつのバレエ団があります。

Ballet de Monterrey

メキシコ人がほとんどを占めるこのバレエ団でも日本人バレリーナが活躍されているようです。


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今回のダンサーはメキシコ・モンテレイのプライベートカンパニーBallet de Monterreyで働く  
児玉アリス
さんです!

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バレエ以外で得意なことは?という質問に、「人とすぐに打ち解けること、人間観察」と答えてくださった児玉さん。メキシコと聞いて治安は大丈夫なのかしら・・そんな心配をよそにとても楽しそうなカンパニー生活を語ってくれました。



ジモモ フランクフルト
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モンテレイの中心地はモンテレイ空港からバスでおよそ1時間、タクシーで40分です。
児玉さんが働くBallet de Monterreyは街の中心にあるTeatro de la ciudad、もしくはTECという大きな大学の中にあるAuditorio Luis Elizondoという劇場で主に公演を行います。


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モンテレイの中心、セントロ


さて、まず・・治安は大丈夫なのでしょうか?025.gif


Monterreyは残念ながらここ数年とても治安が悪く、女の子は用がないかぎり1人で出歩くことはほとんどありません。メキシコではタクシーが安いので街中ではほとんどの人が気軽にタクシーを利用します。本当ならのんびり1人で散歩したり買い物したりするのが好きですが、それができないのがちょっと残念です。



メキシコという国は住んでみてどうですか?
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メキシコ人はとても陽気で人懐っこい人が多いです。国自体はとてものんびりしていて仕事場にもそういった雰囲気が流れています。交通に関しては車がないと不便だったりしますが、食べ物やきれいな海、色鮮やかな小物など私の好きなものがいっぱいあって、私に合ってると思います。治安の悪さが改善されればもっと安心して暮らせるのですが・・・。


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Ballet de Monterreyというバレエ団について教えてください。


レパートリーはクラシックバレエが主ですが、ミックスプログラムなどでネオクラシック、コンテンポラリー作品をやる事もあります。バレエ団は1990年に活動を開始したまだ新しいカンパニーで歴史が浅く、大きな古典バレエをやるためにここ数年ダンサーの人数を増やしています。所属ダンサーはメキシコ人が半分程、あとはキューバ人もたくさんいます。今シーズンは他に、日本人、イタリア人、ペルー人、コロンビア人が在籍しています。日本人は私を含めて二人です。私は2009年にオーディションに来ましたが、その時と比べると人数はかなり増えた様です。また、今のディレクターを含め、過去のディレクターはアメリカのバレエ団で活躍していた人が多く、レパートリーはその影響が強いように感じます。このシーズンは白鳥で終わり、夏のシーズンではBruch Violin Concert というネオクラシックの作品と、いくつかのコンテンポラリー作品の上演が予定されています。


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Ballet de Monterreyカンパニーメンバー


一日のスケジュールを教えてください。



9:00~10:30 バレエクラス
10:30~13:00 リハーサル
13:00~13:30 お昼休憩 (お昼の時間は日によって違いますが、いつも30分です)
13:30~16:00 リハーサル
毎日必ず、16時に仕事が終わります。


毎日必ず16時に仕事が終われるというのは珍しいですね!003.gif 国柄でしょうか?


国柄なのでしょうか?仕事が終わるとみんなあっという間に帰っています。


バレエ団内の公用語はスペイン語ですか?023.gif


カンパニーでは仕事はスペイン語ですが、半分以上が英語も話せるので、スペイン語と英語で話す人が多いです。バレエ団の雰囲気はとても明るく、レッスン中やリハーサル中もみんな仲良く良い雰囲気です。とにかく、みんなよくしゃべります!週末は、バレエ団のメンバーで集まってBBQしたりプールに行く事が多いです。みんな仕事仲間なのに休みの日まで一緒に過ごします・・・メキシコ人はパーティー好きなので暇があれば誰かの家に集合、みんなで飲んで食べてサルサを踊って、という明るい人が多いです。



どのようにして今のお仕事の夢をつかみましたか?


16歳になった時に両親のすすめで留学を考え始めました。 特にアメリカにこだわっていたわけではなく、ヨーロッパなどにもオーディションのビデオを送りました。その中で合格、スカラーシップをいただいたバレエ学校がアメリカ・マイアミのMiamiCityBalletの学校だったのでそこに留学を決めました。マイアミへの留学が今のメキシコでの生活に直接つながったと思います。
今のディレクターにはアメリカ留学中に出会いました。留学していたMiamiCityBalletの学校で、その時にバレエ団のプリンシパルだったのがディレクターです。留学生活を終え、アメリカから日本に帰国して4年目の時、彼がディレクターをしているバレエ団がメキシコにあると知って、トライしようと思いました。

実は、今のバレエ団には2009年にオーディションをしに1週間来たことがあります。その時も気に入ってもらえたのですが、バレエ団の人数がまだ少なく、コントラクトをもらえないまま話が流れてしまいました。その後、いくつかのバレエ団のオープンオーディションやプライベートオーディションに行きましたがなかなか仕事が見つからず、2011年にもう1度ディレクターに連絡して、コントラクトをもらう前に、アプレンティスとしてバレエ団に入りました。


アプレンティスとは研修生のことですか?


アプレンティスは、お給料はもらえませんがバレエ団員と毎日同じようにバレエ団で生活します。私はほぼ半年アプレンティスとして公演に参加していました。その後ようやく本契約をもらいました。


オーディションとはオープンオーディションですか?


オープンオーディションはありません。直接バレエ団に連絡してオーディションをしてもらいます。


その成功は運でしょうか? 実力でしょうか? 才能でしょうか?
成功の鍵はなんだったと思いますか?023.gif



仕事を見つけるまでは、運もあるし、実力も必要だと思いますが、才能は関係ないと思います。
私の場合、仕事をもらうまでに、かなり友達に助けられました。まず、スペイン語がまったくわからなかったので。笑



日本で踊ることと海外で踊ることの違いは何だと思いますか?023.gif

ダンサーとして、他の仕事をしないでも毎月のお給料が入る事。あと、舞台の時のお客様の反応は日本よりもにぎやかだと思います。
日本だと公演数が少ないので1つ1つの作品にかける準備期間が長くて、終わってしまうとさびしい・・・という気がします。逆にこっちでは同じ作品の公演数が多いので、3週間くらい続くときは、終わってもさびしくありません!


そうですね! 公演数が多いというのは大きな違いかもしれません。005.gif
今までに聞けそうで聞けなかったご意見です。
舞台数が多いというのは精神的、体力的に大変なことではありますが、数多くの舞台に立ってこそダンサー、ダンサーとして生きている!そう実感できるのは海外かもしれません。



児玉さんの次の夢は何ですか?001.gif


小さいころからずっと夢はバレリーナだったので、今のところ次の夢は、できる限り長くダンスに携わる事ですね・・・現状維持といった感じです。なんか悲しい気もしますがこれからじっくりと夢みつけます。
あとは、スペイン語を全部理解するということです。100%わかるようになったらかなり幸せですね。でも、特に勉強はしてないので、朝起きていきなり全部わかるようになってたら、最高です。



ずっとダンスにかかわって生きていけたら幸せですね。
まだまだ現役時代は長いかと思いますが、いずれバレエを教える立場になるということは視野に入っていますか?それともずっと踊り手でありたいと考えますか?
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ずっと踊り手でいたいとは思いません。すでに体中いたるところに痛みを感じているので・・・。笑 バレエを教えるのは好きで、踊るのと同時進行でやっていきたいと思います。自分のスタジオを持つとなるともっと大変だと思うので、バレエの先生として将来生活していくかどうかはわかりませんが。教えるのは好きです。



舞台で児玉さんが見たい!という方に、次回の舞台予定を教えてください。


5月のはじめにシーズンは終わったのですが、追加公演が6月の4日・5日にMonterrey TEC劇場にてあります。 演目は白鳥の湖です。その後9月からのシーズンではMonterrey,Guanajuato,にてBruch Violin Concertが上演される予定です。詳しいことはバレエ団のHPにのります。



ありがとうございました!001.gif
紹介者であるお兄様の北斗さんから、妹はヨーロッパの雰囲気とはまったく違うカンパニーで働いていますと聞いていました。今回お話を聞いて納得でした!
さて、児玉さんからのバトンはどなたに渡りますか?



私が紹介するのはアメリカにあるBallet San Joseで活躍している位下純奈ちゃんです。
純奈とはバレエ以外で知り合った不思議な仲で、わたしの小学校からの大親友を通じて友達になりました。とても素敵なバレリーナで、純奈のバレエ団での活躍にいつも刺激をもらっています。



次回はアメリカですね。024.gif
たのしみです! 


というわけで次回はアメリカのBallet San Joseで活躍する位下純奈さんです!


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最後に児玉さんが飼っているというかめちゃんを・・かわいいので載せておきます003.gif

お楽しみに!024.gif

# by dancerstakarabako | 2013-05-27 16:07

Vol.5 Hokuto Kodama Stockholm

ダンサーリレー5都市目にして、とうとうドイツから飛び出してしまいました!

雪、自然、IKEA、 H&M・・・北欧スウェーデンの首都ストックホルム
が今回の舞台です。


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ストックホルム中央駅から徒歩10分ほど、旧市街にある王宮から川を挟んだ目の前に位置しているスウェーデン王立劇場Royal Swedish Opera)。 ヨーロッパでも古い歌劇場のひとつです。


今回のダンサーはこの劇場のバレエ団、スウェーデン王立バレエRoyal Swedish Balletでファーストソリストとして活躍する児玉北斗さんです。


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ジモモ フランクフルト
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Royal Swedish Balletは1773年に設立され、パリ・オペラ座バレエ、デンマーク・ロイヤル・バレエ、マリインスキー劇場に次いで世界で4番目に古いバレエ団です。






所属ダンサー70名弱、そのうちスウェーデン人が約半分、日本人は4名所属しています。
年によりますが、ディレクターであるヨハネス・オーマン氏が興味のある人だけをじっくり見るために一般オーディションはほとんど行わず、プライベートオーディションが基本だというRoyal Swedish Balletですが、このカンパニーの特徴というとどういうところになりますか?
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Royal Swedish Balletは古典のバレエ作品を保持しつつも、他のバレエ団ではあり得ないような最新のコンテンポラリーダンスもレパートリーにしています。
バレエの美的センスがベースの作品、例えばナチョ・デュアトや昔のキリアンのような作品だけでなく、フロアワークやインプロヴィゼーションの知識が無ければ踊れないベルギーやイスラエルなどのコンテンポラリー作品も多くやるので両極のダンサーをそろえていて、それがカンパニーの強みとなっています。




なるほど興味深いカンパニーですね。
児玉さんが自身をカテゴレイズするならバレエダンサーですか? それともダンサーですか?もしくはもっと別の名称ですか?023.gif




バレエという言葉に悪いイメージは全く無いのですが、バレエダンサーと言う枠で自分をくくるのは誤解が有るかな?と思います。強いて言えばシンプルにダンサー?
僕自身はもちろんバレエのキャリアが有りますが、このカンパニーではコンテンポラリー作品に集中させてもらっています。バレエでは一般的に悪いとされる形や動きにも、芸術的理解度、習熟度が有るかどうか、というのは大きな境目になると思います。


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どのようにして今のお仕事の夢をつかみましたか?



現在ディレクターのヨハネス・オーマンとは以前に同じスウェーデンのヨーテボリ・バレエで一緒に仕事をしていました。芸術性/自主性のあるダンサーを評価する人で、ヨーテボリで良い関係を築けたので継続して彼と働く事を選びました。




移籍は自身の決断によるものですか?023.gif



もちろん自分の決断です。



移籍するということはダンサーにとってはどういう意味を持ちますか?046.gif
仕事が変わるということではなく、仕事場が変わるということですよね?
安直な言い方ですが、ワクワクする出来事なのでしょうか?
それとも精神的リスクの大きいことなのでしょうか?




移籍の形にもよると思いますが、自分の活動をシフトさせるというのは希望も不安も含んだ出来事だと思います。たとえ同じディレクター、同僚と新しい町で働くとしても、その土地のダンスの歴史やお客さんの期待するものなどは場所によって大きく異なるので新たな意味を見いだせるのではないでしょうか。また、逆に言えば移籍すれば仕事場だけでなく、仕事の内容も自然に大きく変わる事が多々有ると思いますが、普通の事なのでそれを怖がる必要はないと思います。



児玉さんの今の成功は運でしょうか? 実力でしょうか? 才能でしょうか?
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運とタイミングだったと思います。才能や実力が有っても仕事に恵まれない人はたくさんいるので。
 


成功の鍵はなんだったと思いますか?001.gif


今までやって来た事に固執しないという事でしょうか。本当に自分に正直であり続けるには常に変化し続けるしか無いと思います。



既成の概念にとらわれない、あらゆる物事に臨機応変に順応に対応できるというのは重要ですね。その場その場で大切とされる空気というのは違いますものね。
2000年にヴァルナバレエコンクールに出た後に海外に出られたということですので、もう海外生活も長いと思うのですが、日本で踊ることと海外で踊ることの違いは何だと思いますか?

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日本でも、海外でもそれなりの難しさは有るので、考えすぎなければ違いは特にないのではないでしょうか。敢えて言えば誰と働くか、が違いです。



どこで踊るかではなく、誰と踊るかが重要ということでしょうか?023.gif



そうですね、観客や振付家も含めて、誰とその場を共有しているか、です。




今までのアンケートでは、海外ではダンサーという仕事が仕事として成り立つ、そこが日本との大きな違いだという方がほとんどでした。
そのことについてはどう思われますか?
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仕事としての成り立ち方が違うだけだと思います。また、プロ意識に関しては日本で活動している多くの方に見習う所がたびたび有ります。毎日組まれたスケジュールで同じ場所で働き同じ給料をもらう事を幸せと感じるか、自分で仕事を決めてダンサーとしての興味や必要性に素直に活動出来る事を幸せと感じるか。いろんなダンサーと話をしますが人それぞれのようです。繰り返しになりますが難しさはそれぞれある、というのは確実です。









大切にしている宝物、精神的な支えとなっているものはありますか?001.gif



特にないですね、スニーカーが好きで集めていますがあくまで趣味のつもりです。強いて言えば今までの経験が精神的な支えでしょうか。それを自分の評価基準にしては絶対にいけないと思いますが、自信がなくなった時には今までの経験を振り返ると落ち着く事が多いです。



特にない、とっても男性的な答えですね笑
今までにない返答です。
児玉さんも写真がお好きなようですが、自分の経験を写真やビデオの残しておくというのはとても大切で意味のあることだと思います。自信がなくなったときに、今までの自分の経歴を頭の中の記憶だけでなく、記録として映像で振り返ることできることは前を向いて進んでいくうえでとっても大切だと思います。


ではダンサーとして思い出に残っている仕事は何ですか?


一番印象に残っているのはフォーサイス・カンパニーのティルマン・オドネルとのプロセスです。今の自分のダンス観のベースになっていると思います。また今現在関わっているマッツ・エックとの創作プロセスは非常に重要に考えていますし、オハッド・ナハリンやヴィム・ヴァンデケーブスとの仕事もダンスの幅を広げる転機になりました。



まさにどこで踊るかより、誰と踊るか、誰と仕事をするかが重要という思いのあふれたお答えですね。そんな児玉さんの次の夢は何ですか?001.gif



夢という大げさなものでは有りませんが、バレエの世界からもっと新しい可能性が生まれるようなプロセスに関わりたいと思って活動しています。



もっと新しい可能性とは具体的にどのようなことでしょうか?039.gif



国際交流のきっかけや子供の教育など広い意味で何でもなんですが、敢えて細かい例を挙げるなら、コンテンポラリーバレエという分野にもっとクリエイティビティが加われば、他のコンテンポラリーアートとのリンクを推進してバレエをさらに発展させられるような気がしています。やり尽くされたような感があるのかもしれませんが僕は逆に殆ど手をつけられていない気がしています。バレエという舞踊言語を使って80年代にものすごい事をしていたフォーサイスのような人はなかなか現れませんね。



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児玉さんの今後の活動を教えてください。001.gif
 



まだ正式に発表は出来ないのですが、日本人ダンサー達と新しいプロジェクトを立ち上げる予定です。非常に面白いメンバーなので今までにないプロジェクトになるのではと期待しています。



それは日本にいる皆さんも見ることができるのでしょうか?
それともヨーロッパでの活動ですか?023.gif



ひとまずはヨーロッパでの立ち上げになりますが、日本でも展開の予定を組んでいます。
多くの人に見てもらえる舞台になると思います。


それは楽しみです!016.gif

今回もとても興味深いお話を聞くことができました。
ありがとうございました。
さて、児玉さんからのバトンは次回どなたに渡るのでしょうか?




妹で、メキシコ、バレエ・デ・モンテレー児玉アリス踊っているを紹介したいと思います。
僕はカナダ、スウェーデンと寒い国ばっかりで踊っているのですが、彼女はフロリダやメキシコと暖かい所で踊っているのでダンス観も大分違っていて面白いです。



次回はメキシコ
世界を旅するリレーになってきました。
楽しみです!



というわけで、次回はメキシコ、バレエ・デ・モンテレーで活躍する児玉アリスさんです!


お楽しみに!016.gif

# by dancerstakarabako | 2013-04-29 16:35

Vol.4 Kihako Narisawa ヴィースバーデン

ダンサーリレー4都市目はヴィースバーデンです。

フランクフルトから電車で一時間ほどのところにあるヘッセン州のなかでもフランクフルトに次ぐ大きな都市です。フランクフルトが金融都市であるのに比べて、ヴィースバーデンは大きな音楽祭が定期的に開かれているのを見てもわかるように文化都市といえますね。


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さて今回のダンサーはこの劇場で踊る成澤幾波子(ナリサワキハコ)さんです!

フランス・カンヌのロゼラ・ハイタワー(ESDC Rosella Hightower)プレプロフェッショナルコースに2年間、オランダのロッテルダム・ダンス・アカデミー(Rotterdamse Dans Academie、現・コダーツ Codarts)の4年生に1年間。その後イタリアのカンパニーAterballettoでの活躍を経て現在に至る彼女の素顔に迫ります。




ジモモ フランクフルト
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ヴィースバデンに行くならぜひ訪れたいヘッセン州立劇場ヴィースバーデン(Hessisches Staatstheater Wiesbaden)
ヴィースバーデン中央駅から路線バスで5−10分ほど、徒歩だと約20分ほどです。



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この劇場ではオペラ、演劇、バレエ等、たくさんの文化的プログラムが提供されています。
バレエだけでも年間約70−90公演、新プログラムが年間で大体3つ、既存作品と共に5−6プログラムが上演されています。

そのバレエ公演を一手に引き受けるのが振付家 であり芸術監督であるシュテファン・トス(Stephan Thoss)率いるトス・ダンスカンパニー(Thoss Tanzkompanie)です。クラッシクバレエがベースとなっている振り付けが美しいコンテンポラリーカンパニーです。


男性12名、女性12名、日本文化庁の在外研修の女性1名の計25名。
ドイツ人が4名、ロシア人が2名、
オランダ、アメリカ、スペイン、アルバニアからそれぞれ2名ずつ、
イタリア、スイス、イギリス、アイスランド、オーストラリア、ベラルーシ、タヒチから1名ずつ。
そして、日本人は現在4名が在籍しているそうです。



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Blaubarts Geheimnis(青髭の秘密): Stephan Thoss  Photo : Martin Kaufhold


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La Chambre Noire by Stephan Thoss



001.gif劇場での一日を教えてください。


通常
10:00-11:15 トレーニング(バレエクラス)
11:35-13:30 リハーサル/クリエーション
13:30-15:00 休憩
15:00-16:15  リハーサル/クリエーション
16:15-16:30  休憩
16:30-18:30 リハーサル/クリエーション

公演日
10:00-11:15 トレーニング
11:35-13:30 リハーサル/クリエーション
13:30-17:30 休憩
17:30-19:30 メイク
18:30-19:00 ウォーミングアップ(自由参加のバー・エクササイズ)
19:30-    公演



001.gifここで働くことになったきっかけ、芸術監督/振付家シュテファントスとの出会いを聞かせてください。


ここに来る前はイタリアにあるアテルバレット(Aterballetto)という州立劇場や国立劇場などに属さないプライベートのカンパニーにいました。
そこは今と同じ様に振付家が芸術監督をしているカンパニーで、基本的にその振付家マウロ・ビゴンゼッティ(Mauro Bigonzetti)の作品を踊っていました。アテルバレットには4年間所属したので、そろそろ違うスタイルも経験してみたいと思い、公演や見学をし始めた時にシュテファンの作品を見て、彼と仕事がしてみたいと思ったのでオーディションを受け、契約をもらいました。




039.gif振付家マウロ・ビゴンゼッティと振付家シュテファン・トスの作品の違いは何ですか?  一般の方にはその違いがわかりにくいかなと思うのですが。


マウロはデュエットなどの人と組んで踊る振付が得意でゆっくりとした動きが多いのに対し、
シュテファンはソロパートの方に突出しており動きが速いです。
作風もマウロは小品集や抜粋作品が多く、その分だけに個人個人に委ねた表現も多く、シュテファンは物語や役柄を含む作品も多いので、作品によっては役作りが必要となってきます。




023.gifオーディションはどのような感じだったのでしょう?


公開オーディションでした。
オーディション当日は既に書類審査で絞ったであろう80−90人程が来ていました。

女性1名の募集で、その時に受かったのは私だけでしたが、その後所属している女性ダンサーから3人も産休に入る人達が出た為、数名の新メンバーが増えました。



たった1名の募集枠だったのですね。
書類選考前の応募人数から考えるとすごい倍率をくぐり抜けての合格だったわけですね。すばらしい!




023.gifその成功の鍵はなんだったと思いますか?


運だと思います。
もちろん実力や才能も見ているとは思いますが、その時に探していたタイプに当てはまる・当てはまらないで合否も変わりますし、たとえ気に入ってもらえてもタイミング次第という事もありますから、やはり運だと思います。



なるほど。
そのカンパニーに合ったカラーであること、カンパニーが必要としているキャラを供えていることは大事ですね。自分がどんなキャラクターであるかを理解して、自分にあったカンパニーを探す力もまたダンサーに必要な能力だと思います。
また、そのカンパニーに新しい人材を入れる余裕があるかどうかも成功の行方を左右する鍵だと考えると、成功を運だと答えるダンサーが多いのもわかる気がします。




001.gifこのカンパニーに入りシュテファン・トスの作品を踊ってゆくことになったわけですが、
どうですか?



プロになってから8年目なので色々な振付家作品を踊ってきました。
やはりここに来て最初のシーズンのシュテファン・トス版の「眠れる森の美女」が思い出に残っています。
それまでずっと小品集や抜粋作品を踊る事が多く、眠れる森の美女や白鳥の湖といった、いわゆる誰もが知っている物語・古典作品の改訂版などで物語りに沿って演技をしながら踊るというのは初めてでした。
色々と辛かった思い出も多く、心身共にあそこまで注ぎ込んだのは初めてだったと思います。役作りから来るのか、辛過ぎたのか、悲しまなくてはいけないシーンで本当に涙が出ました。あの瞬間の感覚は忘れられません。



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Dornröschen(眠れる森の美女): Stephan Thoss  Photo : Lena Obst



023.gifイタリア、ドイツと各地で働いてこられた成澤さんですが、海外で踊ることのよさ、日本で踊ることと海外で踊ることの違いは何だと思いますか?


私は3年間留学をしてから今の仕事に就いているので日本で踊った事はないのですが、そもそも日本を出た理由も仕事として踊っていきたかった、振付家と仕事がしたかったからなので、日本ではそれをしながら生活をするのが難しいのだと、見聞きしていて、感じていたのだと思います。今は実際に日本で踊っている友人知人も増えて実情をよく耳にしますが、その度に海外では職業として確立しているのが改めてすごい事なんだと実感します。



やはりそうなのですね。
この質問を投げかけたダンサーは口をそろえて、日本ではダンサーという職業が経済的に成り立たないというのが現状だと答えてくれました。
すばらしいダンサーが育っている中、何とか改善してゆきたい問題です。





001.gif成澤さんの次へのステップ、次の夢は何ですか?


やりたい事、挑戦してみたい事はたくさんありますが、そのやりたい事が出来る環境に自分を常に置ける・持って行ける様に目の前にあるやるべき事を常にやっていきたいと思っています。

過去2回あったヤングコレオグラファーの公演の際に自分も作り、振付のプロセスも楽しかったのですが、それ以上に照明デザインが楽しかったです。今シーズンはダンサーのひとりがトリプルビルのプログラムにて振付作品を作り、私はその照明デザインをさせてもらいました。シーズン末にまたヤングコレオグラファーのプログラムがあるので、また振付と照明デザインをする機会があります。
その様にダンサーとしてではなく、違う形で振付作品に関わっていけるのも楽しいかなと思っています。


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カメラがすきという成澤さんのマイカメラ


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ダンサーが新しい自分の可能性を見出し、トライしてゆく姿は美しいです!




001.gif成澤さんの今後の公演情報を教えてください。 


初演は終了しましたが、シーズン末まで4プログラム、ヴィースバーデン、ダルムシュタット、ハイルブロンにて公演しています。
それから6月にはヤングコレオグラファーによる新プログラムの初演もあります。
是非いらしてください。

劇場上演中のプログラム



016.gifさてダンサーリレーのバトンを成澤さんから受け取るのはどなたでしょうか?


ストックホルムのスウェーデン王立バレエで踊る児玉北斗君です。

大好きなダンサー・振付家のひとりで、いつも支えてくれて刺激をくれる尊敬する友達です。
踊りや仕事で迷ったり悩んだりする時にいつも最初に相談する相手のひとりで、お兄さんみたいな柔らかく優しい素敵な人です。

彼が日本で主宰したプロジェクト公演の際に写真を撮らせてもらったり、私が撮り続けている劇場の写真を展示させてくれたりという縁もあります。


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というわけで次回はストックホルムのスウェーデン王立バレエ児玉北斗さんです!


お楽しみに!!060.gif

# by dancerstakarabako | 2013-04-08 17:02

Vol.3 Harumi Takeuchi  レーゲンスブルグ

さて、カッセルから移動し、ダンサーリレーの三都市目はレーゲンスブルグです。

ここは町ごと世界遺産に登録されているそうで、小さいながらに魅力的な町のようです。


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ジモモ フランクフルト
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ドナウ川

Theater Regensburg


今回のダンサーはこの町の劇場で働く竹内春美さん


ここの劇場は町の人々に愛され支えられ、小さいながらに活発な公演活動を続けています。
レーゲンスブルグの中央駅から徒歩20分、バスで5分のところにビスマルク劇場(Theater am Bismarckplatz) というオペラハウスとヴェロドロム(Velodrom)というホールがあります。
レーゲンスブルグの劇場ダンサー達はこの二つの劇場を掛け持ちし、数多くの公演をこなしているようです。


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ビスマルク劇場と竹内さん


団員は男女5人ずつの10名とゲストが2名の計12名。
そのうち2名が日本人、そのほかイタリア、フランス、スペイン、ドイツ、ロシア、ブラジルなどからのダンサーで構成されています。


001.gif劇場での一日を教えてください。

パターン①
10:00-11:15 バレエトレーニング
11:35-14:00 リハーサル
15:30-18:30
もしくは
18:00-22:00 リハーサル

パターン②(本番の日)
10:00-11:15 バレエトレーニング
11:35-14:00 リハーサル・ダメ出し
17:30-18:30 楽屋入り・メイク
18:30-19:00 ウォームアップ
19:30- 本番


プロでもレッスンはするんですね、
意外にもそんな風に問われる場面がよくあります。
プロこそ地味な基礎の基礎のレッスンを毎日欠かさずしているものです。
そして同じくらい休養というのもきちんと取っているものですね。



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劇場前の看板には竹内さんの写真が使われています♪

039.gifTheater Regensburg Tanzはどんなカンパニーですか?

今シーズン立ち上がったばかりの新しいカンパニーです。
ディレクターは森優貴氏で、バレエベースのコンテンポラリー作品を上演しています。
これまで、トリプルビルと、ワーグナーの生誕200周年を記念した新作を上演して来ました。その他、劇場専属のオペラ歌手と役者と合同で、ミュージカルにも出演します。
春には、ダンサーがダンサーに振付けるヤングコレオグラファーのプログラムも予定されています。


005.gifディレクターは森優貴さん、日本人のディレクターなのですね!


ディレクター自身が素晴らしいダンサーなのですごく勉強になります。それに、ダンサー達と惜しみなく時間を共有し、常に一緒に仕事をしてくださるので、とてもありがたいです。



023.gif新ディレクターのカンパニーであればダンサーにとっても大きなチャンスですよね。
ディレクターが変わる=新しい人材の募集 ですものね。
オーディションは高い倍率だったのではないですか?



たしか、男女5人ずつの枠に、600以上の応募があったと聞きました。



023.gifどのようにして今のお仕事の夢をつかんだのでしょうか?


たくさんのことがつながってここまで来ましたが、2年前に文化庁の海外研修員となって、現ディレクターである森優貴さんが長年活躍していたヘッセン州立Ballet Wiesbadenに入り、研修をさせていただきました。それが今に大きく繋がりました。



023.gif竹内さんは平成22年度に文化庁の海外研修員に選ばれ、海外での実践的な研修に従事する機会を得たんですよね。その研修の場がヴィースバーデンの劇場だったというわけですね。出会いの大切さ、つながりの大切さがわかりますね。


情熱だけで体当たりしたようなものだったので大変なチャレンジでした。
応募してから内定が決まるまでは半年強かかりました。



023.gifその成功の鍵はなんだったと思いますか?



運はとても大きいです。でも加えて、たくさんねばりました。


成功している人はとてもよい出会いをしていると思います。
そして運がよかったんですと必ず言いますが、竹内さんのおっしゃるとおり、たくさんねばり、あきらめないというその強い信念、何より実力が備わっていたのだと思います。
いつ今の状況を脱するかという判断はとても重要です。
竹内さんは外に出なければいけない時期を的確に見極めたともいえると思います。




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上演中の森優貴氏の作品【Ich, Wagner. Sehnsucht!】


023.gif日本で踊ることと海外で踊ることの違いは何だと思いますか?


私は、日本で踊っていた年数の方が長く、つねにアルバイトと教えを掛け持ちしながら踊っていました。休みを取る時間も、ケアする時間もなく、怪我もしやすかったです。
それが、今は踊ることを中心に生活を送ることが出来ます。大きな大きな違いです。



日本ではダンサーという仕事が成り立ちにくく、いくつもアルバイトを掛け持ちしているというのがほとんどの人の現状ですね。そういう状態で、自分はダンサーであるという自信と自覚を持つことは難しいですね。
踊ることを中心に生活を送ることができる、当たり前のようで当たり前でないその生活を手に入れるためにみんな海外に出るんですよね。




023.gif大切にしている宝物は何ですか?


ディレクター、バレエマイスター、同僚からもらうメッセージカードです。
研修中にもらったものも全部取ってあります。



023.gif竹内さんの次の夢は何ですか?



やっと手に入れた、始まったばかりのこの素晴らしい仕事を続けて行くことです。
また、日本公演も夢見ています。


やっと手に入れた・・
その言葉にぐっときますね。。。
がんばってがんばってつかんだ夢だというのが伝わります。



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Stephan Thoss氏の【Carmencita】オペラのパロディ。
お客さんが絶対喜ぶマスターピース。



001.gifさて、ダンサーリレーのバトンですが、次は誰に渡しましょうか?


ヘッセン州立劇場 Ballet Wiesbaden/ Thoss Tanz Companyで踊る
成澤幾波子さんです。
研修先で仲良くしてもらいお世話になりましたが、実は高校生の時に日本で少しの間、同じ先生の元でレッスンしていたこともありご縁があるダンサーです。
抜群のプロポーションを生かした踊りで、海外でたくさん活躍しているダンサーです!!



というわけで、次回はヴィースバーデンのヘッセン州立劇場で働く
成澤幾波子さん
です。


お楽しみに!!001.gif060.gif



記事に関するコメントやお問い合わせはmikaまで001.gif

# by Dancerstakarabako | 2013-03-18 07:59