Vol.41 Yonen Takano Georgia

今回のダンサーの宝箱は、ニーナ アナニアシヴィリ率いるジョージア国立バレエ プリンシプルダンサー高野 陽年さんです!



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ニーナ アナニアシヴィリ率いるジョージア国立バレエはダンサーは65名、その内日本人は5名。

ジョージア,イギリス、アメリカ、イタリア、ポルトガル、パナマ、スペイン、ベルギー、オランダ、日本、フランス,などのダンサーが所属する国際色豊かなバレエ団です。


さっそくですが、どんな仕事場ですか?101.png 

120年以上の歴史を持ち伝説的なバレエダンサー ヴァフタング チャブキアーニ、ミハイル ラブロフスキーなどがこれまでバレエ団を率いてきましたが、現在は絶対的カリスマ、ニーナ アナニアシヴィリがリーダーシップをとって舵を切っています。

クラシック、ヴァフタング チャブキアーニによるオリジナルバレエ、バランシン、ラトマンスキーやポソホフによるネオクラシック、キリアンなどのコンテンポラリーがレパートリーにあり、ヨーロッパ、アメリカ,日本などへも精力的にツアーを行なっています

バレエカンパニーの平均年齢が低くアットホームな雰囲気ですが、帝政ロシア、ソ連時代から受け継がれてきた伝統を大切にする厳しさも同時に感じます

プロフェッショナルカンパニーですが学校のような厳しい指導を受けることも多々あります。


2013年にダンサー夏見亜友子さんにインタビューをさせていただいたとき、ニーナ・アナニアシビリは芸術監督としてどのような方ですか?という質問に、「現役である彼女は毎日のクラスを団員と共に受けています。その中で若いダンサーの育成のために彼女自身がお手本になり踊って見せてくれたりします。」とおっしゃっていました。今も変わらずそうでしょうか?101.png

54歳になる彼女は今でも現役で、クラスも共に受けています。クラス中に後ろからずっとコレクションをもらうこともあり、気が抜けません。



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一日のスケジュールを教えてください。

11時から1時間15分のクラスが始まり,18時までリハーサルがあります。スケジュールは個人の踊る役によって違うのでなかなかお昼休憩を取れない時もあって大変ですそのほかのガラや他のプロジェクトの仕事は18時以降に稽古をし、週2回朝から9時からアーリーワークアウトを日課としています




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どのようにして今のお仕事の夢をつかみましたか?

現在のジョージア国立バレエに在籍する前はサンクトペテルブルクのミハイロフスキー劇場でナチョ ドゥアトの下三年間キャリアを積みました。ナチョがミハイロフスキーを辞め、ベルリンへ移る際に僕も次のステップへ進みたいと思い、ソロを中心に踊れる場所を探していました。リトアニアやハンガリー国立バレエからオファーを貰っていた中、ニーナ アナニアシヴィリが格別のオファーですぐに中心ダンサーとして踊ってほしいと誘ってくれたので即答でジョージアへ飛び立った次第です。


その成功の鍵はなんだったと思いますか?

全てが必要だと思います。身長や体格などの身体条件、振付家や監督の要求するものを理解して体現するセンス、日々の鍛錬を怠らない努力。

そして出会いやその時の状況などの運が重要です。

「体現するセンス」というのがダンサーらしい表現だなと思います。101.png

体現という言葉は別の分野の方も使われている言葉かと思いますが、ダンサーはまさに字のまま、体で表現ですよね。



海外で活動をする理由は何ですか?

言葉を必要としない身体表現という芸術であるバレエの場合、身体一つで世界を股にかけて活動することができるという楽しさがあります。舞踊言語というものは世界共通でどこへ行ってもいい踊りは評価されるし、通じ合えるものがあると思う。良い悪い問わず評価を受けるんだっだら、とこか特定の場所だけではなく、世界の色々なところで受けた方がいいじゃないですか。これは自分へのチャレンジでもあるんじゃないかな

日本はヨーロッパからもアメリカからも遠いのでなかなかそういった環境に身を置くことが難しいし、カンパニーの仕事だけで生活して行くことは、いくらすばらしいダンサーでも厳しい。純粋にバレエに情熱を捧げられる環境としては海外の方が良いと思う。



どこに留学されていましたか?

ワガノワバレエアカデミーで待山とともに伝説の教師ボリス ブレグワーゼに師事しました




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ボリス ブレグワーゼさん、待山さんのインタビューでもお名前があがっていましたね。

ボリス ブレグワーゼさんは、実際にどのような指導をされる方でしたか?

まさに鬼教師でした。1時間位上ジャンプのコンビネーションがあって、顔や手のポジションに特別うるさかったです。毎日クラス前に胃が痛くなるほど緊張したのを覚えています。クラスでは何度殴られたことか。ロシアでも最近は体罰は問題視されていますが、ブレグワーゼだけは特別許可が下りていましたね。バリシニコフやヌレエフが学生時代からワガノワで教鞭を振るっていた方ですから。けれども実はとても良いおじいちゃんで、厳しい指導の裏に愛情を感じられたからあそこまで辛いクラスを乗り切れたのだと思います。



バレエを始めたきっかけは何ですか?

熊川哲也さんの眠りの森の美女をテレビで見たのがきっかけです。幼心にバレエの魅力にとりつかれたようです。


いつプロになりたいと思いましたか?

高校生の時にワガノワに短期留学をした事で意識しました。それまではプロになれるとも思っていなかったです。



プロになりたいと思い、プロになるためにまずどういうアクションを起こしましたか?

やはりプロになるんだったら海外に行くのが手っ取り早いんじゃないでしょうか?日本ではバレエダンサーがプロフェッショナルとしてなかなか認知されていないので。


日本で踊ることと海外で踊ることの違いは何だと思いますか?

打ち込める環境がある事だと思います。バレエ界のトレンドを肌で感じる事ができることも優れている点です。ダンサーは常に進化しなくてはならない存在であると思うので



日本人ダンサーと海外のダンサーの違いはありますか?

日本人は木を見て森を見ず、外国人は森を見て木を見ず、、というところがあると、私自身は思う時があります。。

日本人ダンサーはとても上手いのに自信なさげに踊っているイメージがあります。謙虚を美徳とする国柄のせいかもしれません。海外のダンサーを自分は最高だと思って踊っている人が多いですね。でもお客さんは自信たっぷりのダンサーの方が見ていて清々しいかもしれません。



ダンサーとして思い出に残っている仕事は何ですか?

2017年の3月に東京文化会館で行われたニーナアナニアシヴィリのガラに出演した事です。小さい頃から憧れていた舞台でアナニアシヴィリという憧れのダンサーと踊りました。この舞台の為にアンドリス リエパとリハーサルをし、映画中継やテレビカメラの入る緊張感のもと、プリンシパルダンサーとして舞台を全うしました。その際にマルセロ ゴメスに特別に認められて57月には彼と働く事になりました。ヨルマ エロがマルセロの為に作ったソロを特別に踊らせてもらう事をマルセロに手配してもらい、ダンサーとしてこの上ない経験させてもらったと思います。




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大切にしている宝物は何ですか?

受け継がれる伝統 バレエは人から人へと受け継がれていく伝統芸能のような側面も持つと思います。

僕はワガノワバレエアカデミーでワガノワが学校にいた時代に生徒として研鑽を積み、バリシニコフを教師としてワガノワで見守ったボリス ブレグワーゼに師事し、ミハイロフスキーではナチョ ドゥアト、アンドレイ バタロフに主に指導を仰ぎ、ジョージアのバレエ団に入ってからはアンドリス リエパ、マルセロ ゴメスから作品を教えてもらう機会があった。それぞれ彼らは突然キャリアを積み上げたわけではなく、自分の才能の上に先人たちが築き上げてきた伝統や経験を継承してきたわけであります。それらを僕がそれぞれの偉大なダンサーからも受け継ぐ事が出来た事が何よりの宝物だと。彼らから学んだ事、受け継ぐべき伝統や経験を自分の中で噛み砕き、高野陽年というダンサー像を自ら形創っていかなくてはなりません。そしてさらに彼らから受け継いだものを次のダンサーに受け渡すのも僕の役目でもあります



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仕事以外の時間は何をしていますか?

食べる事が趣味です。料理や美味しいレストランに行く事が息抜きです。身体に良い食材を調べてトライする事が自己満足に浸れる楽しい時間。とか言いつつも世界の中のビールを飲み比べる事が趣味とか言う矛盾した事も好きなんです。ダメですね。



ダンス以外で得意なことはありますか?

拙文ながら月刊誌「美楽」にエッセイを連載しています。連載50回を超えました


そうなんですね。

専門的なお話がたくさん聞けそうですね。101.png



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先人たちが築き上げてきた伝統や経験を偉大なダンサーからも受け継ぐ事が出来た事が宝物、

そのようにとらえることができる陽年さんの感覚がすばらしいと思います。101.png

日本でも踊る機会がたくさんあるという陽年さんの舞台を、皆さんも機会があればぜひご覧になってみてください!



さて、次回のダンサーの宝箱のバトンはどなたが受け取ってくださいますか?

ベルリン国立バレエ 菅野茉里奈です。

菅野は出身バレエスタジオ、木村公香アトリエ ドゥ バレエの先輩でワガノワバレエ学校の先輩でもあります。彼女の背中を見て僕も世界への道へと憧れました。


私もベルリンに住んでいたので菅野さんの舞台は見たことがあります!

お話を聞けるのが楽しみです!


というわけで、次回のダンサーの宝箱は、ベルリン国立バレエ団で活躍する菅野茉里奈さんです!



おたのしみに!!





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by Dancerstakarabako | 2017-09-25 23:19 | Comments(0)

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